利益相反(COI)



臨床研究の利益相反(COI)に関する共通指針
(Policy of Conflict of Interest in Clinical Research)
一般社団法人日本静脈経腸栄養学会

序文

 我が国では科学技術創造立国を目指して1995 年に科学技術基本法が制定され、1996 年に「科学技術基本計画」が策定され、国家戦略として産学の連携活動が強化されてきた。20 世紀後半から21 世紀にかけての医学、医療の進歩はめざましく医学における研究対象も個体から臓器、細胞、分子へと移り、さらに遺伝子異常と疾病との関連、再生医学への展開などと、それらを基に未知の病態の解明とともに創薬への応用、そしてまったく新しい概念に基づく治療法・予防法の開発にも応用されている。医学研究における成果を社会、患者に適切に還元していくことは我が国の国民が安心・安全・快適な生活を享受するうえで極めて重要であると同時に教育・研究の活性化や経済の活性化を図るうえでも大きな意義を持つことは言うまでもない。

 一般社団法人日本静脈経腸栄養学会(以下、本学会と略す)が主催する学術講演会や刊行物などで発表される研究成果には各種の疾患を対象とした診断・治療・予防法開発のための臨床研究や新規の医薬品・医療機器・医療技術を用いた臨床研究が数多く含まれており、その推進には製薬企業、ベンチャー企業などとの産学連携活動(共同研究、受託研究、技術移転・指導、奨学寄付金、寄付講座など)が大きな基盤となっている。

 産学連携による臨床研究が盛んになればなるほど公的な存在である大学や研究機関、学術団体などが特定の企業の活動に深く関与することになり、その結果、教育研究という学術機関、学術団体としての責任と産学連携活動に伴い生じる個人が得る利益と衝突・相反する状態が必然的・不可避的に発生する。こうした状態が「利益相反(conflict of interest:COI)」と呼ばれるものであり、この利益相反状態を学術機関・団体が組織として適切に管理していくことが産学連携活動を適切に推進するうえで乗り越えていかなければならない重要な課題となっている。また、他の領域の産学連携研究とは異なり、臨床研究の対象・被験者として健常人、患者などの参加が不可欠である。臨床研究に携わる者にとって資金および利益提供者となる企業組織、団体などとの利益相反状態が深刻になればなるほど被験者の人権や生命の安全・安心が損なわれることが起こりうるし、研究の方法、データの解析結果の解釈が歪められるおそれも生じる。また、適切な研究成果であるにもかかわらず公正な評価や発表がなされないことも起こりうる。しかし、過去の集積事例の多くは産学連携に伴う利益相反状態そのものに問題があったのではなく、それを適切にマネージメントしていなかったことに問題があるとの指摘がなされている。近年、国内外において多くの医学系の施設や学術団体は臨床研究の公正・公平さの維持、学会発表での透明性かつ社会的信頼性を保持しつつ産学連携による臨床研究の適正な推進を図るために、臨床研究にかかる利益相反指針を策定しており、適切なCOIマネージメントによって正当な研究成果を社会へ還元するための努力を重ねている。

 本学会においても会員ならびに学会関係者などに本学会事業での発表などで利益相反状態にあるスポンサーとの経済的な関係を一定要件のもとに開示させることにより会員などの利益相反状態を適正にマネージメントし、社会に対する説明責任を果たすために本学会共通の利益相反指針を策定する。

I.目的

 人間を対象とする医学研究の倫理的原則についてはすでに、「ヘルシンキ宣言」や「臨床研究の倫理指針(厚生労働省告示第255 号、2008 年度改訂)」において述べられているが、被験者の人権・生命を守り、安全に実施することに格別な配慮が求められる。本学会はその活動において社会的責任と高度な倫理性が要求されていることに鑑み、臨床研究の利益相反(COI)に関する指針」(以下、本指針と略す)を策定する。本指針の目的は本学会が会員などの利益相反状態を適切にマネージメントすることにより、研究成果の発表やそれらの普及・啓発などの活動を中立性と公明性を維持した状態で適正に推進させ栄養学に含まれる疾患の予防・診断・治療の進歩に貢献することにより社会的責務を果たすことにある。したがって、本指針では会員などに対して利益相反についての基本的な考えを示し、本学会の会員などが各種事業に参加し発表する場合、自らの利益相反状態を自己申告によって適切に開示し本指針を遵守することを求める。

II.対象者

 利益相反状態が生じる可能性がある以下の対象者に対し本指針が適用される

  • (1)本学会会員
  • (2)本学会の学術講演会などで発表する者
  • (3)本学会の役員(理事長、理事、監事)、学術講演会担当責任者(会長など)、各種委員会の委員長、特定の委員会(学術集会運営委員会、学会誌編集委員会、倫理・医療安全委員会、利益相反委員会など)委員、暫定的な作業部会(小委員会、ワーキンググループなど)の委員
  • (4)本学会の事務職員
  • (5)(1)~(4)の対象者の配偶者、一親等の親族、または収入・財産を共有する者
III.対象となる活動

本学会が行うすべての事業活動に対して本指針を適用する。

  • (1)学術講演会(年次総会含む)、支部主催学術講演会などの開催
  • (2)学会機関誌、学術図書などの発行
  • (3)研究および調査の実施
  • (4)研究の奨励および研究業績の表彰
  • (5)認定医および認定施設の認定
  • (6)生涯学習活動の推進
  • (7)関連学術団体との連絡および協力
  • (8)国際的な研究協力の推進
  • (9)その他目的を達成するために必要な事業

特に、下記の活動を行う場合には、特段の指針遵守が求められる。

  • ①本学会が主催する学術講演会(以下、講演会など)などでの発表
  • ②学会機関誌などの刊行物での発表
  • ③診療ガイドライン、マニュアルなどの策定
  • ④臨時に設置される調査委員会、諮問委員会などでの作業
IV.申告すべき事項

対象者は個人における以下の(1)~(9)の事項で、細則で定める基準を超える場合には、その正確な状況を本学会理事長に申告するものとする。なお、申告された内容の具体的な開示公開の方法については別に細則で定める。

  • (1)企業・法人組織、営利を目的とする団体の役員、顧問職、社員などへの就任
  • (2)企業の株の保有
  • (3)企業・法人組織、営利を目的とする団体からの特許権などの使用料
  • (4)企業・法人組織、営利を目的とする団体から会議の出席(発表)に対し研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料など)
  • (5)企業・法人組織、営利を目的とする団体がパンフレットなどの執筆に対して支払った原稿料
  • (6)企業・法人組織、営利を目的とする団体が提供する臨床研究費(治験、臨床試験費など)
  • (7)企業・法人組織、営利を目的とする団体が提供する研究費(受託研究、共同研究、寄付金など)
  • (8)企業・法人組織、営利を目的とする団体がスポンサーとなる寄付講座
  • (9)その他、上記以外の旅費(学会参加など)や贈答品などの受領
V.利益相反状態との関係で回避すべき事項
1.対象者の全てが回避すべきこと
臨床研究の結果の公表や診療ガイドラインの策定などは純粋に科学的な根拠と判断あるいは公共の利益に基づいて行われるべきである。本学会の会員などは、臨床研究の結果とその解釈といった公表内容や臨床研究での科学的な根拠に基づく診療(診断、治療)ガイドライン・マニュアルなどの作成について、その臨床研究の資金提供者・企業の恣意的な意図に影響されてはならず、また影響を避けられないような契約を資金提供者などと締結してはならない。
2.臨床研究の試験責任者が回避すべきこと
臨床研究(臨床試験、治験を含む)の計画・実施に決定権を持つ総括責任者には、次の項目に関して重大な利益相反状態にない(依頼者との関係が少ない)と社会的に評価される研究者が選出されるべきであり、また選出後もその状態を維持すべきである。
(1)臨床研究を依頼する企業の株の保有
(2)臨床研究の結果から得られる製品・技術の特許料・特許権などの獲得
(3)臨床研究を依頼する企業や営利を目的とした団体の役員、理事、顧問など (無償の科学的な顧問は除く)
ただし、(1)~(3)に該当する研究者であっても、当該臨床研究を計画・実行するうえで必要不可欠の人材であり、かつ当該臨床研究が医学的に極めて重要な意義をもつような場合には、その判断と措置の公平性、公正性および透明性が明確に担保されるかぎり、当該臨床研究の試験責任医師に就任することができる。
VI.実施方法
1.会員の責務
会員は臨床研究成果を学術講演などで発表する場合、当該研究実施に関わる利益相反状態を発表時に、本学会の細則にしたがい所定の書式で適切に開示するものとする。研究などの発表との関係で、本指針に反するとの指摘がなされた場合には、理事会は利益相反を管轄する委員会(以下、利益相反委員会と略す)に審議を求め、その答申に基づき妥当な措置方法を講ずる。
2.役員などの責務
本学会の役員(理事長、理事、監事)、学術講演会担当責任者(会長など)、各種委員会委員長、特定の委員会委員、および作業部会の委員は本学会に関わるすべての事業活動に対して重要な役割と責務を担っており、当該事業に関わる利益相反状況については、就任した時点で所定の書式にしたがい自己申告を行なうものとする。また、就任後、新たに利益相反状態が発生した場合には規定にしたがい修正申告を行うものとする。
3.利益相反委員会の役割
利益相反委員会は、本学会が行うすべての事業において重大な利益相反状態が会員に生じた場合、あるいは、利益相反の自己申告が不適切で疑義があると指摘された場合、当該会員の利益相反状態をマネージメントするためにヒアリングなどの調査を行い、その結果を理事長に答申する。
4.理事会の役割
理事会は、役員などが本学会の事業を遂行するうえで重大な利益相反状態が生じた場合、あるいは利益相反の自己申告が不適切であると認めた場合、利益相反委員会に諮問し、答申に基づいて改善措置などを指示することができる。
5.学術講演会担当責任者の役割
学術講演会の担当責任者(会長など)は学会で臨床研究の成果が発表される場合には、その実施が本指針に沿ったものであることを検証し、本指針に反する演題については発表を差し止めるなどの措置を講ずることができる。この場合には、速やかに発表予定者に理由を付してその旨を通知する。なお、これらの措置の際に上記担当責任者は利益相反委員会に諮問し、その答申に基づいて改善措置などを指示することができる。
6.編集委員会の役割
学会誌編集委員会は学会機関誌などの刊行物で研究成果の原著論文、総説、診療ガイドライン、編集記事、意見などが発表される場合、その実施が本指針に沿ったものであることを検証し、本指針に反する場合には掲載を差し止めるなどの措置を講ずることができる。この場合、速やかに当該論文投稿者に理由を付してその旨を通知する。本指針に違反していたことが当該論文掲載後に判明した場合は、当該刊行物などに編集委員長名でその旨を公知することができる。なお、これらの措置の際に編集委員長は利益相反委員会に諮問し、その答申に基づいて改善措置などを指示することができる。
7.その他
その他の委員長・委員はそれぞれが関与する学会事業に関して、その実施が本指針に沿ったものであることを検証し、本指針に反する事態が生じた場合には速やかに事態の改善策を検討する。なお、これらの対処については利益相反委員会に諮問し、答申に基づいて理事会は改善措置などを指示することができる。
VII.指針違反者に対する措置と説明責任
1.指針違反者に対する措置
本学会理事会は、別に定める規則により、本指針に違反する行為に関して審議する権限を有しており、倫理委員会(あるいは該当する委員会)に諮問し、答申を得たうえで理事会で審議した結果、重大な指針違反があると判断した場合にはその違反の程度に応じて一定期間、次の措置の全てまたは一部を講ずることができる。
(1)本学会が開催するすべての講演会での発表禁止
(2)本学会の刊行物への論文掲載禁止
(3)本学会の講演会の会長就任禁止
(4)本学会の理事会、委員会、作業部会への参加禁止
(5)本学会の評議員の解任、あるいは評議員になることの禁止
(6)本学会会員の資格停止、除名、あるいは入会の禁止
指針違反者に対する措置が確定した場合、当該会員が所属する他の内科系関連学会の長へ情報提供を行うものとする。
2.不服の申立
被措置者は、本学会に対し不服申立をすることができる。本学会の理事長は、これを受理した場合、速やかに不服申立て審査委員会(暫定諮問委員会)を設置して審査を委ね、その答申を理事会で協議したうえで、その結果を不服申立者に通知する。
3.説明責任
本学会は、自らが関与する場所で発表された臨床研究の成果について重大な本指針の違反があると判断した場合は、直ちに理事会の協議を経て社会に対する説明責任を果たさねばならない。
VIII.細則の制定

本学会は、本指針を運用するために必要な細則を制定することができる。

IX.指針の改正

本指針は、社会的要因や産学連携に関する法令の改正、整備ならびに医療および研究をめぐる諸条件に適合させるためには、定期的に見直しを行い、改正することができる。

X.施行日

本指針は平成26年2月26日より施行する。


一般社団法人日本静脈経腸栄養学会利益相反委員会内規

(名称)
第1 条 この委員会は,一般社団法人日本静脈経腸栄養学会利益相反委員会(以下「委員会」)という.
(適用)
第2 条 委員会は,一般社団法人日本静脈経腸栄養学会(以下「本会」)委員会規則(定款施行細則第25条)に定められたことのほかは,この内規によって運営する.
(目的)
第3 条 本会における研究教育活動に関し,適正な利益相反マネジメントを行う事を目的とする.
(業務)
第4 条 委員会は,前条の目的を達成するため,理事会の諮問に応じ,次の業務を行う.

  1. 利益相反マネジメントに係るポリシー及びガイドライン等の制定及び改廃に関すること.
  2. 利益相反の弊害防止のための施策の策定に関すること.
  3. 利益相反マネジメントのための調査に関すること.
  4. 利益相反に関する個別案件の審議及び回避要請等に関すること.
  5. 利益相反に関する外部への説明責任に関すること.
  6. その他本学の利益相反に係る重要事項
(構成等)
第5 条 委員会は,委員長及び委員をもって構成する.
2 委員長は,委員会を代表し,委員会の業務を統括する.
3 委員長は,委員の中から,指名によって副委員長を委嘱することができる.
4 副委員長は,委員長を補佐し,委員長に事故があるとき又は欠けたときは,その職務を代行する.
5 委員は,委員長とともに委員会を組織し,委員会の業務を執行する.
(招集等)
第6 条 委員会は,会議の目的とする事項を示して,委員長が招集する.
2 委員会の議長は,委員長とする.
(定足数等)
第7 条 委員会は,委員会構成員現在数の過半数が出席しなければ開会することができない.ただし,当該議事について文書をもってあらかじめ意思を表示した者は,出席者とみなす.
2 委員会の議事は,出席者の過半数をもって決し,可否同数のときは,議長の決するところによる.
3 本会の役員は,委員会に出席して意見を述べることができる.
(内規の変更)
第8 条 この内規は,本会定款委員会との協議及び委員会の決議を経,かつ,理事会の承認を受けて変更することができる.
(付則)
1. この内規は,平成26年2月26日から施行する

一般社団法人日本静脈経腸栄養学会臨床研究の利益相反に関する共通指針の細則

一般社団法人日本静脈経腸栄養学会(以下、本学会)の活動は、広く内科学・外科学・歯科学・看護学・薬学・リハビリテーション学を広く網羅する栄養に関する領域に関連する学理およびその応用についての研究発表、知識の交換、会員の生涯学習の奨励ならびに会員相互および内外の関連学会との連携協力を行うことにより、栄養学の進歩普及を図り、もってわが国の学術の発展に寄与することを目的とする。

本学会は、「臨床研究の利益相反(Conflict of Interest,COIと略す)に関する共通指針」を策定した。本学会会員などの利益相反(COI)状態を公正にマネージメントするために、「臨床研究の利益相反に関する指針の細則」を次のとおり定める。

第1 条(本学会講演会などにおけるCOI事項の申告)
第1 項
会員、非会員の別を問わず発表者は本学会が主催する講演会(年次総会・講演会、生涯教育講演会等)、市民公開講座、支部主催学術講演会などで臨床研究に関する発表・講演を行う場合、筆頭発表者は、配偶者、一親等の親族、生計を共にする者も含めて今回の演題発表に際して、臨床研究に関連する企業や営利を目的とした団体との経済的な関係について過去1 年間におけるCOI状態の有無を抄録登録時に様式1 により自己申告しなければならない。
筆頭発表者は該当するCOI状態について発表スライドの最初(または演題・発表者などを紹介するスライドの次)に、あるいはポスターの最後に開示するものとする。
第2 項
「臨床研究に関連する企業・法人組織、営利を目的とする団体」とは、臨床研究に関し次のような関係をもった企業・組織や団体とする。
①臨床研究を依頼し、または、共同で行った関係(有償無償を問わない)
②臨床研究において評価される療法・薬剤、機器などに関連して特許権などの権利を共有している関係
③臨床研究において使用される薬剤・機材などを無償もしくは特に有利な価格で提供している関係
④臨床研究について研究助成・寄付などをしている関係
⑤臨床研究において未承認の医薬品や医療機器などを提供している関係
⑥寄付講座などのスポンサーとなっている関係
第3 項
発表演題に関連する「臨床研究」とは、医療における疾病の予防方法、診断方法および治療方法の改善、疾病原因および病態の理解ならびに患者の生活の質の向上を目的として実施される医学系研究であって、人間を対象とするものをいう。人間を対象とする医学系研究には、個人を特定できる人間由来の試料および個人を特定できるデータの研究を含むものとする。個人を特定できる試料またはデータに当たるかどうかは厚生労働省の「臨床研究に関する倫理指針」に定めるところによるものとする。
第2 条(COI自己申告の基準について)
COI自己申告が必要な金額は、以下のごとく、各々の開示すべき事項について基準を定めるものとする。
①臨床研究に関連する企業・法人組織や営利を目的とした団体(以下、企業・組織や団体という)の役員、顧問職については、1 つの企業・組織や団体からの報酬額が年間100 万円以上とする。
②株式の保有については、1 つの企業についての1 年間の株式による利益(配当、売却益の総和)が100 万円以上の場合、あるいは当該全株式の5% 以上を所有する場合とする。
③企業・組織や団体からの特許権使用料については、1 つの権利使用料が年間100 万円以上とする。
④企業・組織や団体から、会議の出席(発表)に対し、研究者を拘束した時間・労力に対して支払われた日当(講演料など)については、一つの企業・団体からの年間の講演料が合計50 万円以上とする。
⑤企業・組織や団体がパンフレットなどの執筆に対して支払った原稿料については、1 つの企業・組織や団体からの年間の原稿料が合計50 万円以上とする。
⑥企業・組織や団体が提供する研究費については、一つの企業・団体から臨床研究(受託研究費、共同研究費など)に対して支払われた総額が年間200 万円以上とする。
⑦企業・組織や団体が提供する奨学(奨励)寄付金については1 つの企業・組織や団体から申告者個人または申告者が所属する部局(講座・分野)あるいは研究室の代表者に支払われた総額が年間200 万円以上の場合とする。
⑧企業・組織や団体が提供する寄付講座に申告者らが所属している場合とする。
⑨その他、研究とは直接無関係な旅行、贈答品などの提供については、1 つの企業・組織や団体から受けた総額が年間5 万円以上とする。但し、⑥、⑦については、筆頭発表者個人か筆頭発表者が所属する部局(講座、分野)あるいは研究室などへ研究成果の発表に関連し、開示すべきCOI関係にある企業や団体などからの研究経費奨学寄付金などの提供があった場合に申告する必要がある。
第3 条(本学会機関誌などにおける届出事項の公表)

本学会の機関誌(静脈経腸栄養)で発表(総説、原著論文など)を行う著者全員は発表内容が本細則第一条第2 項に規定された企業・組織や団体と経済的な関係を持っている場合、投稿時から遡って過去1 年間以内におけるCOI状態を投稿規定に定める様式:自己申告によるCOI報告書(様式2)を用いて事前に学会事務局へ届け出なければならない。
COI状態は、「臨床研究のCOIに関する共通指針」のIV.申告すべき事項で定められたものを自己申告する。各々の開示すべき事項について、自己申告が必要な金額は第2 条にしたがう。COI報告書は論文査読者には開示しない。

第4 条(役員、委員長、委員などのCOI申告書の提出)
第1 項
本学会の役員(理事長、副理事長、会長、理事、監事)、次回会長、学術講演会(生涯教育講演会、支部主催などの講演会)の会長、各種委員会のすべての委員長、特定の委員会(学術集会運営委員会、生涯教育委員会、学会誌編集会議、診療ガイドライン策定に関わる委員会、倫理・医療安全委員会、利益相反委員会)の委員、作業部会委員、学会の従業員は「臨床研究のCOIに関する共通指針」のIV.申告すべき事項について、就任時の前年度1 年間におけるCOI状態の有無を所定の様式3 にしたがい、新就任時と就任後は1 年ごとにCOI自己申告書を理事会へ提出しなければならない。既にCOI自己申告書を届けている場合には提出の必要はない。但し、COIの自己申告は本学会が行う事業に関連する企業・法人組織、営利を目的とする団体に関わるものに限定する。
第2 項
様式3 に記載するCOI状態については「臨床研究のCOIに関する共通指針」のIV.申告すべき事項で定められたものを自己申告する。各々の開示・公開すべき事項について、自己申告が必要な金額は第2 条で規定された基準額とし、様式3 にしたがい、項目ごとに金額区分を明記する。様式3 は就任時の前年度1 年分を記入し、その算出期間を明示する。但し、役員などは在任中に新たなCOI状態が発生した場合には、8 週以内に様式3 を以て報告する義務を負うものとする。
第5 条(COI自己申告書の取り扱い)
第1 項
学会発表のための抄録登録時あるいは本学会雑誌への論文投稿時に提出されるCOI自己申告書は提出の日から2 年間、理事長の監督下に法人の事務所で厳重に保管されなければならない。同様に、役員の任期を終了した者、委員委嘱の撤回が確定した者に関するCOI情報の書類なども最終の任期満了、あるいは委員の委嘱撤回の日から2 年間、理事長の監督下に法人の事務所で厳重に保管されなければならない。2 年間の期間を経過した者については,理事長の監督下において速やかに削除・廃棄される。但し、削除・廃棄することが適当でないと理事会が認めた場合には、必要な期間を定めて当該申告者のCOI情報の削除・廃棄を保留できるものとする。会長(次回含む)、講演会会長および学術集会運営委員会委員長に関するCOI情報に関しても役員の場合と同様の扱いとする。
第2 項
本学会の理事・関係役職者は本細則にしたがい、提出された自己申告書をもとに当該個人のCOI状態の有無・程度を判断し、本学会としてその判断にしたがったマネージメントならびに措置を講ずる場合、当該個人のCOI情報を随時利用できるものとする。しかし、利用目的に必要な限度を超えてはならず、また、上記の利用目的に照らし開示が必要とされる者以外の者に対して開示してはならない。
第3 項
COI情報は第5 条第2 項の場合を除き、原則として非公開とする。COI情報は学会の活動、委員会の活動(附属の常設小委員会などの活動を含む)、臨時の委員会などの活動などに関して、本学会として社会的・道義的な説明責任を果たすために必要があるときは、理事会の協議を経て、必要な範囲で本学会の内外に開示もしくは公表することができる。但し、当該問題を取り扱う特定の理事に委嘱して、利益相反委員会、倫理・医療安全委員会の助言のもとにその決定をさせることを妨げない。この場合、開示もしくは公開されるCOI情報の当事者は、理事会もしくは決定を委嘱された理事に対して意見を述べることができる。但し、開示もしくは公表について緊急性があって意見を聞く余裕がないときは、その限りではない。
第4 項
非会員から特定の会員を指名しての開示請求(法的請求も含めて)があった場合、妥当と思われる理由があれば、理事長からの諮問を受けてCOI委員会が個人情報の保護のもとに適切に対応する。しかし、COI委員会で対応できないと判断された場合には,理事長が指名する本学会会員若干名および外部委員1 名以上により構成されるCOI調査委員会を設置して諮問する。COI調査委員会は開示請求書を受領してから30 日以内に委員会を開催して可及的速やかにその答申を行う。
第6 条(利益相反委員会)

理事長が指名する本学会会員若干名および外部委員1 名以上により、利益相反(COI)委員会を構成し委員長は委員の互選により選出する。COI委員会委員は知り得た会員のCOI情報についての守秘義務を負う。COI委員会は理事会、倫理・医療安全委員会と連携して利益相反ポリシーならびに本細則に定めるところにより,会員のCOI状態が深刻な事態へと発展することを未然に防止するためのマネージメントと違反に対する対応を行う。委員にかかるCOI事項の報告ならびにCOI情報の取扱いについては、第5 条の規定を準用する。

第7 条(違反者に対する措置)
第1 項
本学会の機関誌(静脈経腸栄養)などで発表を行う著者ならびに本学会講演会などの発表予定者によって提出されたCOI自己申告事項について、疑義もしくは社会的・道義的問題が発生した場合、本学会として社会的説明責任を果たすために利益相反委員会が十分な調査ヒアリングなどを行ったうえで適切な措置を講ずる。深刻なCOI状態があり、説明責任が果たせない場合には、理事長は倫理・医療安全委員会に諮問し、その答申をもとに理事会で審議のうえ、当該発表予定者の学会発表や論文発表の差止めなどの措置を講じることができる。既に発表された後に疑義などの問題が発生した場合には、理事長は事実関係を調査し違反があれば掲載論文の撤回などの措置を講じ、違反の内容が本学会の社会的信頼性を著しく損なう場合には、本学会の定款にしたがい会員資格などに対する措置を講ずる。
第2 項
本学会の役員、各種委員会委員長、COI自己申告が課せられている委員およびそれらの候補者について、就任前あるいは就任後に申告されたCOI事項に問題があると指摘された場合には、利益相反委員会委員長は文書をもって理事長に報告し、理事長は速やかに理事会を開催し、理事会として当該指摘を承認するか否かを議決しなければならない。当該指摘が承認された時、役員および役員候補者にあっては退任し、また、その他の委員に対しては当該委員および委員候補者と協議のうえ委嘱を撤回することができる。
第8 条(不服申し立て)
第1 項:不服申し立て請求
第7 条1 項により、本学会事業での発表(学会機関誌,学術講演会など)に対して違反措置の決定通知を受けた者ならびに第7 条2 項により役員の退任あるいは委員委嘱の撤回を受けた候補者は、当該結果に不服があるときは理事会議決の結果の通知を受けた日から7 日以内に理事長宛ての不服申し立て審査請求書を学会事務局に提出することにより、審査請求をすることができる。審査請求書には、委員長が文書で示した撤回の理由に対する具体的な反論・反対意見を簡潔に記載するものとする。その場合、委員長に開示した情報に加えて異議理由の根拠となる関連情報を文書で示すことができる。
第2 項:不服申し立て審査手続
1.不服申し立ての審査請求を受けた場合、理事長は速やかに不服申し立て審査委員会(以下、審査委員会という)を設置しなければならない。審査委員会は理事長が指名する本学会会員若干名および外部委員1 名以上により構成され、委員長は委員の互選により選出する。利益相反委員会委員は審査委員会委員を兼ねることはできない。審査委員会は審査請求書を受領してから30 日以内に委員会を開催してその審査を行う。
2.審査委員会は、当該不服申し立てにかかる倫理・医療安全委員会委員長ならびに不服申し立て者から必要がある時は意見を聴取することができる。
3.審査委員会は、特別の事情がない限り審査に関する第1 回の委員会開催日から1 ヶ月以内に不服申し立てに対する答申書をまとめ、理事長に提出する。
4.審査委員会の決定を持って最終とする。
第9 条(細則の変更)

本細則は、社会的要因や産学連携に関する法令の改変などから個々の事例によって一部に変更が必要となることが予想される。また、医療および臨床研究をめぐる諸条件の変化に適合させるために、原則として、数年ごとに見直しを行うこととする。

付則
第1 条(施行期日)
1. 本細則は、平成25 年4 月1 日から2 年間を試行期間とし、その後に完全実施とする。
2. 本細則は、本学会の法人化に伴い、平成26日2月26日より、試行期間を設けず改定施行するものとする。
3. 本細則は、本学会の法人化に伴い、平成26日4月25日より、試行期間を設けず改定施行するものとする。
第2 条(役員などへの適用に関する特則)
本細則施行のときに、既に本学会役員などに就任している者については本細則を準用して速やかに所要の報告などを行わせるものとする。
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